1. オーディエンスとは何か
GA4のオーディエンスとは、簡単に言えば「ターゲットユーザー」の集合です。
Google広告のオーディエンスをイメージするとわかりやすいかもしれません。実際、GA4のオーディエンスもGoogle広告と連携して活用できます。
2. Google広告のオーディエンスとの違い
Google広告のオーディエンスには大きく分けて2種類あります。

■ データセグメント
自社サイトのURLをもとに、特定ページを訪問した・していないユーザーを絞り込みます。
例:
「商品Aページを閲覧したが、サンクスページまで到達していないユーザー」をターゲット設定する。
■ カスタムセグメント
検索語句やウェブサイトURLをもとにユーザーをターゲット化します。
例:
「オーダースーツ」や「オーダーメイド 紳士服」で検索しているユーザー、
あるいは競合サイト(例:https://*******.co.jp)を訪れている推定ユーザーを設定。
これらのユーザーは、当然ながら広告配信の対象となります。
3. GA4オーディエンスの特徴
GA4のオーディエンスは、イベントデータを活用して柔軟にターゲティングできる点が特徴です。
Google広告のような「URLベースの条件設定」だけでなく、「行動・イベントベース」の設定が可能です。
設定の主なポイントは次の5つです。
- Google広告のデータセグメント的な設定が可能
- スクロールやクリックなど、PV以外のイベントやセッション時間も条件にできる
- 複数のイベントを組み合わせた設定ができる
- セッション単位・ユーザー単位のいずれでも条件設定できる
- オーディエンストリガー(イベント発火)が利用できる
4. 活用例(ユーザー単位・セッション単位)
Ⅰ. B2B企業(高額商材・長期検討型)
- 会社案内ページを閲覧したが、お問い合わせイベントに至らないユーザーを対象。
- 「全セッション(ユーザー単位)」で追跡。
→ CVまでに2週間ほどかかるケースに有効。


Ⅱ. B2C企業(低単価・短期CV型)
- 商品Aページを閲覧したが、購入イベント(purchase)に至らないユーザーを対象。
- 「同一セッション内(セッション単位)」で追跡。
→ 1日以内に完結する商材に適している。


5. 応用設定:スクロール・滞在時間・複合条件
GA4では「scroll」イベントや「セッション持続時間」など、ユーザー行動の深度を条件に加えられます。
これはGoogle広告のオーディエンス設定では実現できない強力な差別化ポイントです。
また、複数イベントの組み合わせ(例:page_view+purchase など)で詳細な条件を構築できます。

6. オーディエンストリガーによるKPI計測
「オーディエンストリガー」を設定すると、オーディエンス条件を満たしたタイミングで自動的にイベントを記録できます。
設定方法:
- 「新しいオーディエンス」作成時に右側の「その他オーディエンス設定」を開く
- イベント名を入力し、「オーディエンスのメンバーシップが更新されると追加のイベントがログに記録されます」にチェック
- 保存
これにより、オーディエンスの増減をイベントとして計測でき、KPIモニタリングにも活用できます。


まとめ
GA4のオーディエンスは、「ページ閲覧+行動データ+セッション単位」など、柔軟な組み合わせでターゲティングが可能です。
Google広告と連携すれば、行動ベースの高精度なリマーケティングを実現できる強力なツールです。

